江の島弁才天道標

杉山和一(すぎやまわいち)は元禄2年頃、全部で48基の江の島弁才天道標を江の島道沿いに建てたといわれ、川柳にも詠まれている。全て高さ120cm程度、幅・奥行き20cm程度と共通の規格を持った安山岩製の尖塔角柱型道標で、正面に弁才天の種子である「सु(ソ)」と「恵乃之満遍(草書体)」、右面に「一切衆生」左面に「二世安樂」と彫られている。この種の石造物としては彫りが深い。これは、目の不自由な人のためといわれ、いかにも検校の建てたものらしい。開発による破壊や好事家による盗難に遭い、 現在残るものは少ないが、藤沢市の江の島弁才天道標12基は1966年1月17日に市指定重要文化財(建造物)に指定された。

江の島道(えのしまみち)は旧藤沢宿から龍口を経て江の島に至る旧道。また鎌倉街道を小袋谷から分岐し龍口を経て江の島にいたる旧道も江の島道と呼ばれた。いずれの旧道も江の島へ向かう遊山客や地域住民の生活路としてにぎわい、多くの寺社・旧家が立ち並んでいたが、明治時代以降になると鉄道・新道の開通によって廃れていった。現在では要所要所に残されている道標などが往時の姿をしのばせている。この道標の中には江の島と深い縁を持つ杉山検校が建てたものが多い。

杉山検校の墓が江の島市民の家の裏手にあります。この墓は検校の一周忌に弥勒寺から分骨して埋葬したもだそうです。

江戸時代の鍼師、杉山検校の墓で、一周忌の命日、元禄8年(1695)5月18日に建立されたもの。墓碑の形は笠塔婆型で市指定史跡。杉山検校は本名を杉山和一といい、慶長15年(1610)、伊勢の国に誕生。幼少の頃に失明し、有名な鍼医のもとで学んだが実らず、江の島弁財天に21日間籠もって礼拝を続けた結果、管鍼術という療方法を創案し、大成 したという。



※現在12基の江の島弁財天道標が藤沢市の重要文化財に指定されています。(市役所内案内板より)
○市役所内2基 
○なぎさ事務所前(片瀬海岸) 
○白幡神社境内(藤沢) 
○遊行通り三丁目ローターリー内
○法照寺向い辻(鵠沼神明) 
○片瀬小学校校門脇 
○密蔵寺向い(片瀬) 
○片瀬市民センター構内 
○西行もどり松脇(片瀬) 
○江島神社境内福石脇  
○湘南江の島駅横

Wikiによると現存の江の島弁才天道標は次の通りとのこと。

「14. 鎌倉市腰越行政センター」の道標は、鎌倉市域なので、先の藤沢市の文化財指定リストに無いのは当然ですが、「12. 法照寺入口脇」の道標は、藤沢市の文化財指定から漏れているようです(いたずら等があるせいで外したのでしょうか)。
また、市の文化財指定の「湘南江の島駅横」の道標がWikiのリストに見当たりません。逆にWikiのリストには、「13. 民家の庭」という市のリストに無いものがあります。未確認ですが、ひょっとするとこれは同じもので、民家の庭から湘南江の島駅横に移設されたものなのかも知れませんが、民家の庭の所在が確認できないため何とも言えません。

以下は現時点で、現地確認した道標です。不足分は後日アップしたいと思います。

01. 遊行寺内眞徳寺の庭内(移設:上半部のみ):藤沢市西富1-4

02. 国道467号・神奈川県道306号藤沢停車場線分岐点:藤沢市藤沢40先

03. 藤沢市役所新館脇(藤沢市藤沢1丁目から移設):藤沢市藤沢115先

04. 藤沢市役所新館脇(藤沢市辻堂2-15-11先から移設):藤沢市藤沢115先

05. 藤沢市立片瀬小学校南門脇:藤沢市片瀬2-14

06. 密蔵寺の先三叉路の側面に「左ゑのし満遍」と彫られた庚申供養塔と並立:藤沢市片瀬3-6-5先

07. 片瀬市民センター前(移設:藤沢市史第五巻には2基を掲載):藤沢市片瀬3-9-6

08. 西行の戻り松脇(本蓮寺前より移設:「西行のもどり松」と裏面に刻まれてて裏向きに設置):藤沢市片瀬3-10-15先

08. 西行の戻り松脇(本蓮寺前より移設:「西行のもどり松」と裏面に刻まれてて裏向きに設置):藤沢市片瀬3-10-15先

09. 州鼻通り旧なぎさ整備事務所前(ここから170m南の地中から掘り出されたもので頭部が一部欠落):藤沢市片瀬海岸1-9-12先

10. 江島神社辺津宮参道石段右脇の福石前(移設):藤沢市江の島2-3-8
杉山検校が江の島の弁財天の祠に詣で断食祈願をすること7日の後、山から下る帰り道に福石のそばでつまずいて倒れ、その際体をチクリと刺すものがあり、拾ってみると竹の筒とその中に入った松葉だったという。
これをヒントに考案したのが、管の中に鍼を入れ管の上部に出た鍼の頭を手で叩いて刺入する杉山式管鍼(くだばり)とのこと。
道標の裏に見える石が福石です。

11. 白旗神社脇(移設:この他周辺に集められた庚申塔には「ゑのしまみち」と側面に彫られたもの2基あり):藤沢市白旗1-4先
参道階段脇にある道標には、正面に「えのしま道」、側面に「一切衆生」「二世安楽」と刻字されています。

12. 法照寺入口脇(藤沢市鵠沼神明1丁目から移設:藤沢市鵠沼神明2-2-24 いたずらにより「一切衆生」が「二切衆生」となっています。

同じく、12. 法照寺入口脇のものを別な角度から撮ったものです。

湘南江の島駅横
右面に「従是右江島遍」、左面に「左龍口遍」の文字が深く彫られている。

14.鎌倉市腰越行政センター(腰越漁協付近から移設):鎌倉市腰越864
戦後、事故で折れてしまったものをつないでいます。

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